PHP と Java の連携をとして考えられる手段は 2 種類あります。 PHP を Java サーブレット環境に統合する方法 と Java サポートを PHP に統合する方法です。前者のほうが より安定で効率的な手法です。前者は、サーブレットサーバへのインターフェイス として SAPI モジュールにより提供され、後者は Java 拡張モジュール として提供されます。
Java 拡張モジュールは、PHP から Java オブジェクトのメソッドを生成し、 コールする簡単で効率的な手段を提供します。この JVM は JNI を用いて 作成され、全てはこのプロセスで動作します。
この拡張モジュールは、 実験的 なものです。この拡張モジュールの動作・ 関数名・その他ドキュメントに書かれている事項は、予告なく、将来的な PHP のリリースにおいて変更される可能性があります。 このモジュールは自己責任で使用してください。
この拡張モジュールを使用するには、使用するマシンに Java VM が インストールされていることが必要です。
この » PECL 拡張 モジュールは PHP にバンドルされていません。
PHP 4 の場合、この PECL 拡張モジュール のソースは、PHP のソースの ext/ ディレクトリ、または 上の PECL リンクで入手可能です。 これらの関数を使用するには --with-java[=DIR] を使用して Java サポートつきで PHP をコンパイルする必要があります。 DIR は JDK のインストールディレクトリを指します。この拡張モジュールは 共有モジュールとしてのみビルド可能です。詳細な情報は php-src/ext/java/README にあります。
Windows ユーザがこれらの関数を使用するには、php.ini 内で php_java.dll を有効にします。 PHP 4 の場合、この DLL は PHP の Windows ダウンロードバイナリの extensions/ ディレクトリ にあります。 この PECL 拡張モジュール用の DLL は、» PHP のダウンロード ページあるいは » http://pecl4win.php.net/ からダウンロードできます。
注意: Windows 環境において PHP <= 4.0.6 を使用してこのモジュールを有効に するには、jvm.dll をシステムの PATH が通った場所に おく必要があります。PHP > 4.0.6 では、追加の DLL は必要ありません。
php.ini の設定により動作が変化します。
名前 | デフォルト | 変更の可否 | 変更履歴 |
---|---|---|---|
java.class.path | NULL | PHP_INI_ALL | |
java.home | NULL | PHP_INI_ALL | |
java.library.path | NULL | PHP_INI_ALL | |
java.library | JAVALIB | PHP_INI_ALL |
リソース型は定義されていません。
定数は定義されていません。
Example#1 Java の例
<?php
// Java クラス java.lang.System のインスタンスをPHPに作成する
$system = new Java('java.lang.System');
// プロパティへのアクセスのデモ
echo 'Java version=' . $system->getProperty('java.version') . '<br />';
echo 'Java vendor=' . $system->getProperty('java.vendor') . '<br />';
echo 'OS=' . $system->getProperty('os.name') . ' ' .
$system->getProperty('os.version') . ' on ' .
$system->getProperty('os.arch') . ' <br />';
// java.util.Dateの例
$formatter = new Java('java.text.SimpleDateFormat',
"EEEE, MMMM dd, yyyy 'at' h:mm:ss a zzzz");
echo $formatter->format(new Java('java.util.Date'));
?>
Example#2 AWT の例
<?php
// この例は、CGI として実行されることのみを考慮しています。
$frame = new Java('java.awt.Frame', 'PHP');
$button = new Java('java.awt.Button', 'Hello Java World!');
$frame->add('North', $button);
$frame->validate();
$frame->pack();
$frame->visible = True;
$thread = new Java('java.lang.Thread');
$thread->sleep(10000);
$frame->dispose();
?>
例外が発生すると PHP の警告が出力され、結果は NULL となります。警告は "@" 記号を付けてメソッドをコールすることに抑圧できます。 直近のエラーを取得し、リセットするために以下の API を使用することができます。
Java Servlet SAPI は、PHP プロセッサ全体をサーブレットとして実行する ために、Java 拡張モジュールにより定義された機構の上に構築されています。 PHP の側からみてこの実装が基本的に優れている点は、サーブレットを サポートする Web サーバが通常 JVM をプールし、再利用することに注力している ことです。このサーブレット SAPI モジュールの構築手順は、 php4/sapi/README にあります。 注意: